『少女の友』とその時代 : 編集者の勇気内山基

遠藤寛子 著

戦時色が深まるにつれ、『少女の友』は軍や政府から軟弱として忌避され、特に中原氏の絵が問題となり、昭和一五年同氏の絵は「自発的に」『少女の友』から消えた。内山主筆はそれを読者と編集者の間の通信欄、「友ちゃんクラブ」で静かに告げた(昭和一五年七月号)表面は中原氏の意志といいながら、政府の圧力であることを言外に伝え「-父を兄を、夫を子を、失ふことさへも、国の為に忍ばなければならない時です。今は僕たちの一つの喜びを国家に捧げませう-」と述べた。今日では別に特異な文ではないであろう。しかし、当時、名誉の戦死と讃えられた「死」を、愛するものを「失ふ」といい、又「光栄」というところを「忍ぶ」と表現した内山主筆の姿勢は、ある勇気を必要とした。

「BOOKデータベース」より

[目次]

  • 友ちゃんくらぶと友ちゃん会
  • 中原淳一氏のこと
  • 「乙女の港」のこと
  • 「花日記」「美しい旅」など
  • 松本かつぢ氏-抒情画家としての
  • 松本かつぢ氏-抒情漫画家としての
  • フラワーゲームのことなど
  • 「チビ君物語」
  • 由利聖子氏のこと
  • 吉屋信子氏のこと〔ほか〕

「BOOKデータベース」より

この本の情報

書名 『少女の友』とその時代 : 編集者の勇気内山基
著作者等 遠藤 寛子
書名ヨミ ショウジョ ノ トモ ト ソノ ジダイ : ヘンシュウシャ ノ ユウキ ウチヤマ モトイ
シリーズ名 少女の友 (雑誌)
出版元 本の泉社
刊行年月 2004.1
ページ数 182p
大きさ 21cm
ISBN 488023821X
NCID BA65386224
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全国書誌番号
20545559
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言語 日本語
出版国 日本
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