ジャクソンねこのほんとうの家

ブライアン・ボール 作 ; 清水真砂子 訳 ; キャロリン・ハリソン 絵

ねこの話はどこの国でも多いようですが、この物語のように、冷静で、皮肉な目をもったねこが描かれることはまれで、世界的な書評紙『タイムズ文芸付録』でも、まず、その点が高く評価されました。まったく、「かわいい」ということばは、このジャクソンにはどう考えても不向きで、臨機応変、人間を利用してかかるねこは、ときに人間に眉をひそめさせるかもしれません。とりわけ、ねこを人間の所有物と考え、「かわいらしい」を連発してきた人々には…。けれど、人間の勝手な思いこみどおりに動物が生きていようはずはなく、もしそうならば、ねこはねこではなくなってしまいます。同じことは、人間同士、おとなと子どもの場合にもいえましょう。それにしても、必要なときに、適当に人間を利用しながら、あくまでも本来の自分を失わずに生きていくジャクソンのふてぶてしさは、たしかに、これまでの児童文学にはあまり見られないもので、けれど、それは、まだ世間を知らない、無邪気なマリリンと好対照をなして、作品をひきしめ、全体をこくのある軽妙な喜劇に仕立てあげました。小学校中・上級向き。

「BOOKデータベース」より

この本の情報

書名 ジャクソンねこのほんとうの家
著作者等 Ball, Brian
Harrison, Carolyn
清水 真砂子
ハリソン キャロリン
ボール ブライアン
書名ヨミ ジャクソンネコ ノ ホントウ ノ イエ
書名別名 Jackson's house
シリーズ名 青い海シリーズ 12
子どもの文学 12
出版元 童話館
刊行年月 1999.11
ページ数 117p
大きさ 23cm
ISBN 4887500149
NCID BA4527610X
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全国書誌番号
20096872
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言語 日本語
出版国 日本
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