山田風太郎の生んだ唯一の名探偵が、新宿のボロアパート・チンプン館に住む酔いどれ医者・荊木歓喜先生である。その面倒見の良さと抜群の推理力で、ヤクザやパンパンのみならず、警察からも一目おかれるこの怪人物は、心ならずも奇怪な事件に巻きこまれ、哀しい真相を解き明かす羽目になる-。忍法帖で山田風太郎を知る読者には意外かも知れないが、本書は、戦後の混乱期を背景に、山田風太郎でなければ考えつかない奇抜なトリックを縦横無尽に駆使した、不可能興味横溢の本格ミステリ集なのである!単行本未収録作を含む全8篇!山田風太郎全著作リストを併録。
「BOOKデータベース」より