熊本市の一民間病院が二〇〇七年に設置した全国でも類がない施設「こうのとりのゆりかご」。「赤ちゃんポスト」という通称が先行したためか、「親の子捨て助長」「いのちの救済」という世論を二分する賛否両論の議論が巻き起こった。それから三年半、すでに五〇人を超す子どもが預けられた。熊本日日新聞の記者たちが、これまでの概念に入らない特殊な機能をもった施設の計画発表から開設、そして現在までを取材。「いのち」「性」「家族」そして「人のつながり」-社会が親と子を包み込み、支える機能をなくしてしまった今、全国各地で必読の書。
「BOOKデータベース」より