東京の歴史といえば、どうしても徳川幕府以降の「江戸」のイメージが強い。だが、「江戸以前」の繁栄の歴史も大変に長く、かつて東京が「武蔵国」と呼ばれたころから連綿と育まれてきた伝統や文化が、現在、私たちが暮らす大都市・東京の骨肉となって脈々と生きつづけている。「江戸・東京」の歴史的な時間の流れを縦軸とし、横軸の基点には神社を据えて見ると、祀られている神様、創祀した人物、神社を崇敬した人々の姿が、時空を超えて浮かび上がってくる。日頃、何気なく通り過ぎていた地元の神社、勤め先の近くにある小さな祠、それらの存在に注目してみれば、様々な時代の歴史や世相が見えてくる。
「BOOKデータベース」より