辺倉史代は、頭はいいのに陰気な性格で、友人も恋人もいない孤独な三十路の女。職業は小学校教師。人づきあいに臆病で内気な史代は、生徒はおろか同僚の教師の間でも「やる気のないダメ教師」というレッテルを貼られ、敬遠される存在である。そんな彼女の生きがいは、ちまたの噂で有名な「紅蓮女」と呼ばれる幽霊の変装をして、人を驚かす事。夜な夜な、オーダーメイドでしたためた豪勢な「紅蓮女」の仮装に身を包み、怪奇スポットや自殺の名所を徘徊、その場に居合わせた人々を怖がらせる事に甘美を感じているのだった…。口裂け女、都市伝説パーティー、生き神信仰、呪いの手紙、電話男-さまざまな怪奇スポットで遭遇する事件に、「紅蓮女」が立ち向かう。
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