第十一代将軍家斉の側室お以登の方は、その第四十二子となる影姫を無事出産する。だが出生間もない姫は、権力の専横を目論む側室お美代の方と老中水野出羽守が仕組み謀略によって、江戸城を追放されることになった!天下人の子から一転、悲運の姫君となった影姫-。これに付き従う汐路や上月右平次は、いつの日か姫を再び帰城させる決意を胸に、出羽守配下の忍者明石十兵衛ら追っ手が迫る中、飛騨の里、さらに八丈小島へ逃れる。十六年の刻を経て-山海の大自然に育まれて壮健な少女に成長した影姫が江戸に戻ってきた。そして、姫の放逐に協力し、立身出世した奸物たちに一人ずつ復讐する日々が始まる。
「BOOKデータベース」より