患者の自殺は「心理療法家にとって最も困難な悲嘆の危機」であるとされてきた。現在臨床現場において、多くのセラピストが患者の自殺を経験している。とくに、うつ病、薬物乱用、統合失調症などの精神疾患患者の治療に当たっているセラピストは患者の自殺を経験する率が高い。本書では、不幸にして患者の自殺が起きてしまったときに、セラピストにはどのような心理的な反応が生じ、その事態にどのように対応すべきかといった問題に焦点を当て、その後に臨床家がとるべき遺された家族や周囲医の人々へに心理治療的行為、法的対処について多くの事例を交えて解説されている。また、スーパーバイザーの果たす役割についても詳しく取り上げている。
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