本書は2010年7月26日に書き起こされる。それは、ディディオンの一人娘、クィンターナの7回目の結婚記念日だった。子に恵まれなかったディディオンと夫のジョンは、クィンターナを養子として迎え入れ、深い愛情をもってクィンターナとの絆を深めていくが、やがて、ディディオンはジョンを、そして最愛の娘、クィンターナを病で失うことになる。クィンターナの幼少期、共に過ごしたマリブやブレントウッドでの日々をスナップショット写真のように鮮やかに描き、また自らの幼年期の記憶、結婚生活の記憶が豊かに織り込まれた本書においてディディオンは、子を持つこと、子を失うこと、親であること、病、老い、そして、死、それらすべてに対する彼女自身の恐れについての深い洞察を展開する。
「BOOKデータベース」より