本書は、1983年のアメリカ教育研究学会出版賞を受賞し、1984年度『Ms.』誌の"ウーマン・オブ・ジ・イヤー〓に選ばれた、ハーバード大学の女性心理学者キャロル・ギリガンの話題の書の全訳である。心理学や文学、著者自身の研究データにあらわれる男性と女性のそれぞれ異なる声が、どのような意味をもつかを論じ、女性が従来の人間の発達理論からはみ出すという事実は、女性の発達に問題があるのではなく、主として男性の視点で研究されてきた実験・調査や理論が普遍性を欠いているからだとするその指摘は、出版されるとたちまち注目され、各地でシンポジウムが開かれ、現在ヨーロッパ各国で翻訳出版されて反響を呼んでいる。新しい時代の人間認識の必要性を力強く提唱する書。
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