ここはどこ?私はだれ?何者かに誘拐され命からがら逃げ帰った王女ガブリエラは、ショックのあまりすべての記憶を失った。その事実が知れ渡れば国民が動揺するのは必至だ。娘の身を案じた父公は、アメリカの由緒ある一族出身のリーブに護衛を頼む。しかも、カムフラージュのためにふたりを婚約させるという。ガブリエラは愚かしい計画に猛反発した。他人も同然の男性と婚約劇を演じるだなんて!月明かりの下でワルツを踊る彼に胸を焦がした16歳の記憶も消えたいま、皮肉にも、王女はみずからの運命を呪うのだった…。
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