海辺の村で暮らすキムは叔母を亡くし、天涯孤独の身だった。家を売り、町へ出て働く決意をしていた彼女の前に現れたのが、少し前から丘の上に住む盲目の謎めいた男性アダムだ。孤独な彼の世話をするうち、ふたりは急速に親しくなっていった。キムが村を離れる日が迫るなか、突然アダムから結婚を申しこまれる。きっと彼は手となり足となる人が欲しいだけなんだわ。そうとわかってはいても、彼をこのまま暗闇のなかに置いておけない。心優しい彼女は、愛のないプロポーズに傷つきながらも、小さな声で"イエス"と答えるのだった…。
「BOOKデータベース」より