新選組副長、土方歳三。怜悧な思考、抜きんでたリーダーシップで組織を率い、敗軍の将として戊辰の役を転戦、函館で最期を遂げる。類稀な魅力から、小説・映画・ドラマでもその生涯が描かれてきたが、さまざまな異説に彩られ、真実は解明されてこなかった。本書では、本人の手紙、関係の旧家に伝えられた文書、隊士をはじめとする同時代人の諸記録まで、夥しい史料を渉猟、綿密な考証に基づいて時系列に再構成し、全生涯を初めて明らかにする。上巻は生い立ちから上京、新選組結成、局長・芹沢鴨の斬殺、そして池田屋事件で一躍名の上がった元治元年までを収録。時代はますます風雲急を告げてゆく。
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