大谷刑部少輔吉継。石田三成との友情に殉じ、味方の裏切りが相次ぐ関ヶ原の合戦で不運の死を遂げた名将である。だが、抜群の人気を誇る武将であるにもかかわらず、両親の名や出生地も定かではない吉継の生涯は、多くの謎に包まれている。本書は、遺された吉継発給の文書などわずかな史料を駆使して、その生涯をできるだけ詳細に再現した。若き日の姿、領主としての姿、病に苦しみながらも友のために戦う姿など、単なる「悲劇の武将」というイメージではとらえることができない、「人間・大谷吉継」の魅力に迫る。
「BOOKデータベース」より