暁闇の滑走路にのこされた爆音、母艦を遠ざかるスクリュー音…必死必中の体当たり攻撃のほかに米軍の本土進攻を食いとめる手段がなくなった大戦末期、さまざまな「特攻兵器」が生まれ、多くの若者がそれに搭乗して発進していった。日に日に戦局が悪化する昭和十九年(一九四四)十月、起死回生の非常手段として神風特別攻撃隊が編成された。特攻の先がけ「敷島隊」、人間爆弾「桜花」、人間魚雷「回天」-特攻関係者の肉声や取材から浮かびあがる特攻作戦の実相とは。特攻戦没者の鎮魂と次世代へのメッセージ。
「BOOKデータベース」より