一人息子が志願したのは、ドイツ陸軍の中でもっとも訓練が厳しい歩兵部隊の山岳隊だった。ドイツ人の父親も若き日に訓練を受けた部隊に入り、厳格な指導の下でカリキュラムをこなす九カ月の特訓が始まった。弱音を吐いて脱落することになれば挫折感が一生残り、本人の苦しみは計り知れない…。心配する母親をよそに、十八歳の息子は兵舎でさまざまな経験を積み、一人前の男となって戻ってくる。その間、息子は何を学び、何を得たのか。本書は、詳細な情報を元に、一人の青年の成長を書き留めた日本人母の記録である。
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