外務省書記官夫人である佳子は、美しい閨秀作家としても知られていた。そんな佳子のもとへ、突然ある男から原稿が送られてきた。その原稿には何が書かれていたろうか?…彼女がいま腰をおろしている書斎のイスのなかに、彼女をひそかに恋する男がひそみかくれている!肝を冷やす"人間椅子"の秘密はここに明かされた!巧緻な構成とスリリングな物語で、読者を満足させる傑作短編「人間椅子」悪女登場でゾッとさせるすぐれた短編「お勢登場」等々…いずれをみても江戸川乱歩の卓越せる小説作りのうまさを満喫させる傑作集!
「BOOKデータベース」より