正直に言うと、僕にも忘れられない人が一人だけいる-15年前の夏、中学生だった僕は"ひなた"と名づけた虎猫と柚原という少女にまつわる忘れられない体験をした。29歳、料理人をやめてフードライターとして日銭を稼ぎ、夫のいる女性と続けている関係が危うくなってきた今、僕は当時の夢を繰り返しみるようになる。柚原とその兄の秘密、彼女の祖父と隕石の不思議な話、二人で見た奇跡のような流星群…時を経て、偶然にも再び訪れることになった思い出の地で、僕が出会ったのは-猫と料理と流れ星がつなぐ、"夢と現実""過去と現在"のあわいに命の希望を描いた気鋭作家の書下ろし長編小説。
「BOOKデータベース」より