仏教が葬式仏教と呼ばれるようになって久しい。日本の「ホトケ」はほんとうに死んでしまったのだろうか。思えば私たちは仏教に何の期待もしなかった。期待がなければ志も力も育たない。しかし、いま志のある僧たちが、いろいろな活力ある仏教の実践を行っている。経理の公開、NPOの主催、イベントを通してネットワーク作りを行うなど、他者との関係性=「縁起を生きる」を求める僧たちの活動が続けられている。右肩上がりの時代が終焉し、現代は個人のかけがえのなさを喪失させる時代だ。様々な苦を抱えて生きる私たちは、仏教にいま何を期待すればいいのか、お寺が変われば私たちの社会はどう変わるのか、仏教の行方を展望する。
「BOOKデータベース」より