清朝末期の中国に二十年を越えて滞在したアメリカ人宣教師が、中国人の性格、民族性を驚くべき観察眼で描き出した古典的名著。1890年に初版が出るや、影響は瞬く間に広がり、多く版を重ねた。著者のスミスは事例、実例を挙げることに意を注ぎ、安易な考察を斥けるが、読む者は中国の政治・宗教・社会への深い洞察に導かれる。米英では、今世紀に入っても刊行が相次ぎ、中国でも、幾種もの訳書が現れ続けている。巨大、強大な隣国とどのように付き合っていくかは、日本にとって大きな問題だ。今なお中国人、そして中国理解に資する重要文献の新訳。
「BOOKデータベース」より