文政元年(一八一八年)六月一人の男がみちのく白河から江戸にやってきた。男の名は、竜巻雷蔵。忍者の修行を積んだ侍である雷蔵は、同じ里のくの一(女忍者)全員にベタ惚れされてしまい、嫉妬した元締めから追放されたらしい。江戸の北の端、染井稲荷近くの植木屋に見習いとして居候することが決まったまでは良かったが、老主人は身の上相談大好きのおせっかい。おまけに人遣いも荒い。仕事の合間に人探しをやれと言われる始末だ。文句を言いながら純情な魚屋のはつ恋の女性を探してみると…。正義感、使命感ゼロだが頼りになる男登場!新シリーズ第一弾。
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