僕は失踪した恋人を探して、彼女と関わった男女を訪ね歩く。瑠璃、再び"あなた"に出会うために。「兄を殺した女のこと?彼女のことを聞きたいの?」「ルリは少女娼婦のようだった」「るりは、本質的にこわいもの知らずなのよ」彼らが語る"あなた"の破片を拾い集めながら、僕は"あなた"のもとに近づいていく。彼女が存在する、どこかに-そこには、天才ピアニストと呼ばれた僕の、少年時代の調べが響き続ける。そして"あなた"を探す旅のなかで、僕は僕自身を見出し、挫折を乗り越え、音と色彩、光に満ちた輝かしい世界を取り戻していく。愛の謎と復活を描く長篇小説。
「BOOKデータベース」より