「造田博教を作りました」一九九九年九月八日、白昼の池袋で、包丁と金槌を手に、突如通行人に襲いかかり二人の女性の命を奪った"通り魔殺人犯"造田博は、逮捕後、友人にあてた手紙にそう書き記した。裁判を通じてほとんど何も語ろうとしなかった"通り魔"が、幾千万の言葉を費やして語ろうとする「造田博教」とは一体何なのか。オウム事件以降、「大阪池田小学校児童惨殺事件」へと続く、身勝手な無差別殺人事件の連鎖-。"通り魔"から届いた二十五通の手紙をもとに、その背景にある現代の社会病理に迫る。
「BOOKデータベース」より