十二歳にしてマリファナ、十六歳にしてヘロイン。泥棒、詐欺、武装強盗、ポン引き…悪の限りを尽くし、少年時代から拘置所と貧民窟を行き来していたマックス。明日、八年の刑務所暮らしから晴れて仮釈放される。が、彼の心を支配していたのは、不安と憂鬱だった。いまさら堅気になろうとは思わなかったが、悪事には二度と手を染めたくなかった。が、食うためには金が要る。闇の仕事ならいくらでもある。まともな職が欲しかった。屈辱に耐え、悪の誘惑も断ち、這い上がろうとする前科者に、娑婆は容赦なかった…。圧倒的なリアル。ロマン・ノワール幻の傑作。
「BOOKデータベース」より