シモーヌ・ヴェイユ生誕100年。ヴェイユは、裕福なユダヤ人家庭に生まれながら、カトリック思想にふれ、神秘主義的傾向を強めていった。周囲を驚かせる数々の奇矯な振舞いにも関わらず、その傑出した知性と人間性で理解者を獲得していった。食を拒むまでに自らの生き方を律する厳しい倫理的姿勢を貫き通すとともに、革命と反革命、戦争の勃発という激動の時代に、社会的抑圧に抗して自由の理想を追い求め、洞察に富む数多くの哲学的著作を残した。本書は、いまなお大きな影響を及ぼし続ける、34歳の若さで早世した異色の女性思想家の等身大の姿を描き出す第一級の評伝。巻末に「「魂とは、すなわち大いなる魂」-アランとふたりのシモーヌ」(神谷幹夫)を併載。
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