はるかなる岸辺

キャリル・フィリップス 著 ; 上野直子 訳

「いったいどんな場所に僕は来てしまったんでしょう」アフリカの内戦をのがれてきた男、ソロモンは、新しい友人に問いかける。家族も故郷も失くし、困難な旅を生きのびて、彼は、「はるかなる岸辺」、イングランドに辿りついた。新しい人生をはじめたいと思っていた。そう尋ねられ、途方に暮れるのは、中年のイギリス人女性、ドロシー。彼女もまた、さまざまな喪失を抱え、人生をやり直そうと思っていた。二人の間には、ソロモンに届けられた、「ここから出て行け」という村人からの憎しみの手紙の束がある。読者に届けられるのは、孤独な二人の現在の悲劇と、忘れてしまいたい過去。「なぜ」と読者は重たいこころで問うだろう。私たちと同じ小さな人間の、人間としての限界、そして苦いイギリスのいまと世界の痛みを、静かに描く、ポストコロニアル文学の傑作。

「BOOKデータベース」より

この本の情報

書名 はるかなる岸辺
著作者等 Phillips, Caryl
上野 直子
フィリップス キャリル
書名ヨミ ハルカナル キシベ
書名別名 A distant shore
出版元 岩波書店
刊行年月 2011.10
ページ数 392p
大きさ 20cm
ISBN 978-4-00-024465-7
NCID BB07223784
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全国書誌番号
22003882
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言語 日本語
原文言語 英語
出版国 日本
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