ミヒャエル・エンデが亡くなったあと、長年の担当編集者であり、友人でもあったロマン・ホッケが、短編小説、戯曲、長編小説の断片、バレエの脚本、詩、なぞなぞ、手紙など広範囲の遺稿のなかから厳選した四十数編を収録した本。『モモ』から『はてしない物語』への橋渡しが読み取れる表題作のほか、「牡丹灯篭」から影響を受けたと思われる戯曲「宿」など、初めて出会う作品でいっぱいである。未完の作品も収められており、未完であるがゆえにエンデの創作過程をみることができ、これがまた興味深い。エンデワールドの集大成。
「BOOKデータベース」より