中国法、それは簡素すぎるようにも、煩瑣すぎるようにもみえる。停滞し不変のものとも、激しく変わるものともいわれ、通俗でわかりにくいともいわれてきた。本書は、これまで欠落していた「中国法とは何か」「なぜそのような特徴があるか」という問いへの解答となるべく、具体的事実の記述を超え、中国法の一貫して不変な深層構造に焦点を合わせ、かつその独自の文脈において規範と関係、権力的契機と大衆的契機の相互作用、それにより引き起こされた変化の諸相ないし基本原理を明らかにする。西洋近・現代法の理念との対話・比較の可能性を開き、21世紀のアジアにおける新しい価値体系と秩序を検討するための一助となる必読の一書。
「BOOKデータベース」より