西洋中世の男と女 : 聖性の呪縛の下で

阿部謹也 著

中世のキリスト教会は男女関係のあるべき姿を定め、夫婦の性行為にまで厳しく介入しようとした。厳格でこっけいに見える性的禁則、二転三転する娼婦の位置づけ、聖職者自身の性の問題。そんな矛盾や悲哀をかかえた世相を克明に描くことで、当時の人々の処世の様が浮かび上がる。著者は、この中世社会における性愛の扱い方が、現在のヨーロッパ文化にも通じているとし、「西洋個人主義は、中世の人々が男と女の問題を自覚する中で生まれた」と論じる。ホーソーンの『緋文字』等の物語と、史実をつき合わせ、民衆が教会から「個人」を取り戻した過程を丁寧にひもとく。

「BOOKデータベース」より

[目次]

  • 第1章 『緋文字』の世界
  • 第2章 古代・中世の宇宙観のなかの男と女(古代人の宇宙観
  • ローマ人の男女関係)
  • 第3章 聖性の形成・解体と聖職者・女性(ユダヤ教と男女関係
  • 初期キリスト教と男女関係
  • 聖なるものの変質)
  • 第4章 聖なるむすびつきとしての結婚(ゲルマン人の結婚
  • 教会に管理される結婚
  • 贖罪規定書から)
  • 第5章 娼婦たちと社会(娼婦の位置
  • 娼婦と娼婦宿)
  • 第6章 中世の男と女にとって愛とは何か(聖性の呪縛の下で
  • 個人の誕生)

「BOOKデータベース」より

この本の情報

書名 西洋中世の男と女 : 聖性の呪縛の下で
著作者等 阿部 謹也
書名ヨミ セイヨウ チュウセイ ノ オトコ ト オンナ : セイセイ ノ ジュバク ノ モト デ
シリーズ名 ちくま学芸文庫
出版元 筑摩書房
刊行年月 2007.10
ページ数 307p
大きさ 15cm
ISBN 978-4-480-09102-4
NCID BA83338890
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全国書誌番号
21354899
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言語 日本語
出版国 日本
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