謎のカスパール・ハウザー

種村季弘 著

1928年、ライン連邦バイエルン王国に突如現れた奇妙な少年。穴の中に一人で暮らし、言葉もほとんど知らなかったこの孤児は、数人の養父の手で教育を施されるが、五年後、謎の男に暗殺される。少年は果たして何者だったのか?漂泊の王子か?稀代の詐欺師か?裏返しのエディプス物語として稀代の怪事件を読み解き、その謎に迫るスリリングな評伝。

「BOOKデータベース」より

1828年、ライン連邦バイエルン王国に奇妙な少年が出現した。穴のなかにひとりで暮らし、言葉もほとんど知らなかったこの孤児は、数人の養父のもとで教育を施されるが、五年後に何者かによって暗殺されてしまう。この少年は果してだれだったのか?著者は新たな視点からこの謎に挑戦し、正体不明の少年の生涯の秘密を推理しようとする。すべての点で確たるアイデンティティを欠いたこの捨て子は、体制に安住した人々にとっては、異物であり、危険きわまりない存在であった。著者はこの点に、主観や秩序を形成する言葉と実存の本質的な問題を見いだし、また少年の謎の生涯に、裏返しのエディプス物語と、捨て子の時代ともいうべき現代に氾濫するカスパール・ハウザー状況の祖型を読みとり、家族神話の崩壊、父親なき社会の予言者として少年を位置づける。

「BOOKデータベース」より

[目次]

  • 壜のなかの手紙
  • ニュールンベルグ登場
  • 塔と地下牢
  • 霊媒カスパール・ハウザー
  • 夢のなかの城
  • 顔のない刺客
  • カスパール・ハウザー詐欺師説
  • 性別のふたしかな男
  • 呪われた古城
  • 三度死ぬ屍体〔ほか〕

「BOOKデータベース」より

[目次]

  • 第1章 壜のなかの手紙
  • 第2章 ニュールンベルク登場
  • 第3章 塔と地下鉄
  • 第4章 霊媒カスパール・ハウザー
  • 第5章 夢のなかの城
  • 第6章 顔のない刺客
  • 第7章 カスパール・ハウザー詐欺師説
  • 第8章 性別のふたしかな男
  • 第9章 呪われた古城
  • 第10章 三度死ぬ屍体
  • 第11章 漂泊の王子
  • 第12章 スタンホープ卿の謎
  • 第13章 フォイエルバッハの死
  • 第14章 瞼の母
  • 第15章 二人のザイラー
  • 第16章 鏡文字の告知
  • 第17章 暗殺者たち
  • 第18章 死の床にて

「BOOKデータベース」より

この本の情報

書名 謎のカスパール・ハウザー
著作者等 種村 季弘
書名ヨミ ナゾ ノ カスパール ハウザー
出版元 河出書房新社
刊行年月 1983.12
版表示 〔新装版〕
ページ数 361p
大きさ 20cm
ISBN 4309006612
NCID BA3213469X
BN01940801
BN06058188
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全国書誌番号
84020308
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言語 日本語
出版国 日本
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