1988年12月、熱帯雨林で一人の男が殺された。シコ・メンデス-自分たちの生活の場である雨林を守ろうと、ブラジル・アマゾンで地域のゴム採取者の労働組合を組織し、開発業者と闘いつづけた男である。彼はすでにゴム採取者たちの権利のために活動する一介の労働者ではなかった。欧米各国を飛びまわって熱帯雨林保護の必要を訴える草の根の環境保護運動の指導者として、世界にその名を知られる存在となっていたのだ。彼の素顔と生涯を追う科学ジャーナリストのレヴキンは、開発にさらされ死滅の危機にある熱帯雨林の貴重な生態系の豊かさと脆さとを描きながら、同時に、森に生きる人々の苦闘とアマゾン開発の暗部をえぐりだす。環境ジャーナリズムの白眉!
「BOOKデータベース」より