四季に恵まれ、植物の種類も多く、古くからその自然観が培われてきた日本。1200年をさかのぼる『万葉集』に160種余りの植物が歌われ、天皇をはじめ上流階級から名もなき庶民にいたるまで、植物とのふれあいが近代以前に広く記録された例は世界的にも類をみない。その伝統が現代の社会まで幅広く受け継がれる一方、世界中から数多くの植物がつぎつぎにもたらされ続けている。こうした植物たちを1月から12月まで順に並べて植物の「こよみ」をかたちづくりながら、古典文献の記述から名前の由来、最新の利用法まで植物とその文化を幅広く紹介する。
「BOOKデータベース」より