高井有一 [著]
疎開先で入水した母の遺骸を凝っと見つめる少年の目。二世帯住宅にする為明日は家を取り壊すという日、嬉々とする妻をよそに街に彷徨い出た初老の男の目。-戦争と母の自死を鮮烈に描いて文学的出発を告げた芥川賞受賞作「北の河」、人も街も変質する世情への微妙な違和感を描く「半日の放浪」等、透徹した観察眼で昭和という時代を丸ごと凝視し続ける高井有一の自選七短篇。
「BOOKデータベース」より
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