いまや米国のアジア・太平洋・インド洋全域の戦略・作戦基地となった沖縄の米軍の全貌を、情報公開法により入手した米軍の内部資料により明らかにするとともに、日本政府の「思いやり予算」によって改造・強化される基地の実状を描き出した労作。圧迫に耐え、迫害をはね返して、"沖縄の誇り"守る反戦地主たち。ついに知事の「代理署名拒否」を導き出した反戦地主の長く、ねばりづよい闘いを描く。
「BOOKデータベース」より
かつて沖縄は、日本で唯一、地上戦の戦場となった。農民の土地は没収されて飛行場となり街は焼き尽くされ、県民の4人に1人が命を奪われた。さらに戦後は、米軍の銃剣によって、家、屋敷、田畑、墓地までも奪われ、それらは広大な軍事基地と化した。反戦地主は、こうした戦中・戦後の歴史体験を血肉化し、戦争のためには祖先伝来の土地を一坪たりとも使わせない、と決意した人びとである。そのため、いかなる「勧誘」「嫌がらせ」「差別」にも堪え、軍用地提供の契約を拒否している。国は、その数わずか軍用地主の0.4%という。だがこの0.4%は反戦平和の意志を凝集したトゲとなって、日米安保体制のノドもとに突き刺さる。反戦地主の存在は、沖縄の良心であり誇りであり、魂そのものである-。
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