本書では、著者らは、クライエントの既にある「健康なパターン」を強調し、彼らの能力やユニークな背景を有効利用しながらポジィティブな将来のイメージに導き、現実的で達成可能なゴールを共に確認し、それぞれの「飲酒という問題」の解決にむけて共同作業を進めて行く。ここで示されている、この一見シンプルな技法は、疾患モデルにそった伝統的な長期にわたる入院治療や、12ステップの原則に基づく治療プログラムに代わるアルコール臨床の可能性を提示するものである。本書は実用的でステップ・バイ・ステップ形式のハウツーを中心に書かれたソリューション・フォーカスト・アプローチの実践マニュアルであり、更に巻頭の斎藤論文により、わが国のアルコール臨床における位置付けが明確に示されている。
「BOOKデータベース」より