本書では、人口・食料問題と直結する農業に対する援助の役割の解明を目指した。われわりの食卓に結びついているアジアやアフリカの農業の現場で、日本のODAがいかなる貢献と影響をもたらしてきたのか、そして今後どのように改善すべきかについて問う。日本と密接な関係にあり、すでに多額のODA資金が投入されてきたインドネシアとフィリピンを主たる対象として、可能なかぎり現地調査にもとづく生の資料を手がかりとして問題の解明を試みた。特に「緑の革命」をもたらした多収穫品種と、それを支える技術的・社会的条件の分析に焦点を当てた。
「BOOKデータベース」より