ヴァージニア州の港町で生まれた元陸軍中佐ジョン・ポール・ヴァンは、家族の愛とは無縁の男だった。しかしきわめて勇壮な兵士であった。中尉時代は日本に駐屯し、朝鮮戦争では命懸けの活躍をした。ヴェトナム勤務を志願したとき、彼は中佐になっていた。しかし、ヴェトナムにおけるアメリカの"嘘"がヴァンを変えたのである。赴任一年で彼は陸軍を去った。このままではアメリカは敗れると予言しながら…。祖国にもどり勝つための戦略を説いてアメリカ全土を駆け巡ったヴァンは、ふたたびヴェトナムの戦場に舞い戻った。しかしある大きな戦闘で勝利した直後に、ヘリコプター墜落事故に遭ってしまう。「自分の戦争」に勝ったと信じたまま、ヴァンは死んでいったのである。誰にも書きえなかった決定版ヴェトナム戦史。全米図書賞、ピュリッツァー賞、コロンビア・ジャーナリズム賞、ロバート・ケネディ賞受賞作品。
「BOOKデータベース」より