ナポレオン戦争時代の激動期に生きたプロイセンの軍人クラウゼヴィッツは、1793年、13歳で初陣を踏み、1806年の会戦で捕虜となり帰還後、優柔不断な国王に我慢できずロシア軍に仕官したこともある。ワーテルロー会戦では、ついに宿敵ナポレオンをたおす一戦に参加。その後、それまでの従軍体験をもとに『戦争論』を執筆した。本書は、戦争の歴史的・論理的分析として最も優れた書であるこの『戦争論』が、どのような背景から生まれてきたかを、当時の社会環境や制度を視野に入れつつ考察し、ともすれば後世の恣意的解釈や断片的な紹介で歪められやすいクラウゼヴィッツの思想を総合的に論じる。
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