チャップマン博士は、ロスチャイルド商会、ベアリング商会、クラインウォート・ベンソン、その他の主要なマーチャント・バンクの古い記録類から新資料を調査し、さらに全世界の範囲にわたって、これらマーチャント・バンクの活動に関する記録を求め、国際貿易金融、資本輸出、会社設立、裁定取引、その他マーチャント・バンクのあらゆる活動の淵源を辿り、それがシティ・オブ・ロンドン、さらにはイギリス経済全体、そして国際金融の成長に果していった役割を、新しい視点に立って分析している。本書は厳密な歴史研究ではあるが、重厚な文章の中に、随所にマーチャント・バンカーたちの往時を想起させるような生き生きとした描写が織り込められており、真に興味深い読物である。
「BOOKデータベース」より