新約聖書はギリシア語で書かれているが、その本文は写本によってかなり異なる。それら何千という写本から厳密な批判・検討を加えて新約聖書の真正な本文を求めて行く《新約本文学》は、写本の時代が終わり、15世紀中頃に印刷術が発明され、『42行聖書』とも呼ばれるラテン語の『グーテンベルク聖書』が刊行されたときに始まる。本書は、それ以後現代までの「校定本」や「翻訳本」、「新約本文学者達の思想と生涯」を122項目にわたってドラマティックに詳述した、本邦唯一の《新約本文学の歴史》である。
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