増田芳雄 著
明治から昭和戦前にかけて、安田財閥の中枢にあって政財界に隠然たる力を振った男がいた。保険業界の重鎮、男爵長松篤〓である。長松はしかし、ドイツに留学し先駆的業績で学位を取得した日本人初の植物生理学者であった。帰国後学習院教授を務めながら、29歳の若さで突如実業界に転ずるのである。巌谷小波の幼馴染であり、森鴎外と終生親交を結んだ一知識人の生涯と転身の謎を、揺籃期の日本の植物学者群像と共に浮彫りにする。
「BOOKデータベース」より
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