古来、逸話を愛する人びとが多いことは、古代のギリシア・ローマの時代から、逸話を多く語る書物がたくさんあることからもわかる。わが国でも明治・大正から、主として修身訓話用であったが、逸話集はたくさん出版されている。本書では道徳臭、教訓臭はなるべくにおわさないようにしたつもりである。逸話はフィクションも多いが、人物の性格を語る点では、より真実に近いといわれている。楽しんで読んでいただき、そしてフラー編の逸話集(『あらゆる場合に適当する逸話二千五百』)のように、あらゆる機会に話題に味をそえるために本書を利用していただきたいと思う。
「BOOKデータベース」より