竹村牧男 著
ユングが指摘した、個人的無意識のさらに下層にある集合的無意識の世界も、唯識にいう共業(ある人々に共同の業)の考え方あるいは共相種子(共業によって熏習された、共通性を特徴とする種子)の考え方等を援用すれば、共通の理解を持つことも可能であろう。しかも精神分析や深層心理学が、過去の体験からくる心理的抑圧からの解放を目ざすとするなら、それは苦からの解脱を目ざす仏道とほとんど並行するものといってよいであろう。仏教唯識と現代思想の接点を探る意欲作。
「BOOKデータベース」より
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