本書は、微分方程式のテキストである。しかし、類書のようにその分類と解法に拘泥することはなく、ある物理や工学の問題は微分方程式でどのように表されるのか、そしてその微分方程式を解くことにより何がわかるのかといった、微分方程式の「活用」を主眼にして書かれている点に特徴がある。もう1つの特徴が、微分方程式の「解き方」以外の側面にも光を当てた点である。それは、微分方程式を解かなくてもわかる洞察についてであり、また、一見全く異なる現象が、共通の微分方程式で記述できるという面白さである。
「BOOKデータベース」より