岐阜県・神岡鉱山の地下にある研究施設スーパーカミオカンデで観測を続けた梶田隆章さんが、2015年のノーベル物理学賞に輝いた。5万トンの超純水を張った巨大な水槽を使い、物質を構成する素粒子ニュートリノが「振動」する現象を発見、これまで重さがないとされてきたニュートリノが質量をもつことを実証したのだ。宇宙はどうやってできたのか、物質はなぜあるのか。この世界の根源にせまる物理学者たちの探究に大きな一歩をしるした。梶田さん自身の言葉でこれまでの研究を振り返ると共に、取材を続けてきた朝日新聞医療部の記者たちが、梶田さんの生い立ちや歩み、発見に至る物語をわかりやすく説明し、さらに今、梶田さんが危惧している日本の科学研究の現状と将来についても解説する。
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