化学物質による環境汚染の影響を理解し、対策を進めるためには、汚染状況や発生源を明らかにし、環境動態を把握する必要がある。しかし現実には、環境中に存在する人為起源化学物質をくまなく調べるのは不可能である。そこで求められるのが、汚染物質の物性に基づいた分布・動態の予測である。本書は、有機汚染物質による環境汚染と、汚染物質の動態を支配する法則の理解を目的にまとめられたテキストである。ダイオキシンや医薬品など多様な物質の具体的な汚染状況を、物性と関連づけて理解することで、汚染物質の環境動態の一般則が見えてくる。これからの環境汚染対策を考えるうえで必読の入門書である。
「BOOKデータベース」より