十九世紀、ロシアの国民文化は黄金時代を迎えます。その歴史を語るうえで欠かせないのがキリスト教の伝来。十世紀半ばにキリスト教が伝わり聖書の翻訳とともに制作された写本にはロシア文化の根源とも言える華麗な装飾がふんだんに施されているのです。本書は十〜十六世紀の長きにわたる写本装飾を一挙にたどる文様集。約九〇〇点の図版から東洋と西洋の異文化が混ざり合い変化を遂げていく装飾の軌跡が見てとれます。キリスト教文化、ケルトやゲルマンなどの古文化、中央アジアの民族的文化などあらゆる文化の出会いが生み出した多彩な文様の数々をお楽しみください。
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