「ショック療法」の主唱者ミルトン・フリードマン-彼の経済理論は「人類のために最大の貢献」をしたとされ、一九七六年にノーベル経済学賞という栄誉が与えられた。だがそれは、最高評価に値する真の「発明」だったのだろうか。政治とメディアとの三つ巴で強引に推進された新自由主義的政策と、その帰結たる半世紀後の絶望的なまでに荒廃した世界状況を思うとき、そもそも経済学的権威とは何かと疑問を抱かずにはいられない。経済学の深い闇に鋭い批判的考察のメスを入れ、経済学者の果たすべき社会的責任と使命を問う。
「BOOKデータベース」より