金融市場での豊富な経験を持つ経済学者の手による実証的通貨論。ユーロ危機、ドル凋落、止まらない円高。通貨乱高下の原因を国際通貨制度の失敗の歴史、日米欧のマクロ経済分析、各国の金融為替政策・通貨外交の巧拙、そして市場の"心理"と"力学"から読み解いていく。烈々たる通貨の興亡から見た「戦後経済史」であるとともに、不安定度を増す世界経済の再生に必要な「理想の通貨制度」を探る試みでもある。為替取引の「実」と通貨研究の「学」を両輪に展開される内容は、ドル・円・ユーロの展望はもとより、「世界経済の持続可能性」と「基軸通貨なき時代」を見通すうえでの羅針盤となるであろう。
「BOOKデータベース」より