二〇一〇年度のノーベル平和賞を受賞した劉暁波。彼は八〇年代はその過激な中国伝統文化批判で「文壇の暴れ馬」の異名を取り、一九八九年の天安門事件で「ハンスト宣言」をして「反革命宣伝扇動罪」に問われ、逮捕された。二〇〇八年一二月には「〇八憲章」をネットで呼びかけ、「国家政権転覆扇動罪」がくだされ、服役中である。天安門事件の後から、各雑誌・インターネット上で発表されたエッセイ・評論・詩・関係文書などを精選。中国国内で言論活動を続ける友人・徐友漁があとがきを寄せ、劉の思想と行動の真実に迫る。彼の逮捕と受賞は中国の人権状況をあぶりだし、憲政民主への道のりの遠さを暗示させている。彼は同時代中国をどのように見ているのか。天安門事件は以後の彼の民主化ビジョンにどのような影を藤としているのか。公正で自由な中国社会はいかにすれば実現できるのか。壮絶なまでの自問自答が、ここには記録されている。
「BOOKデータベース」より